「テレワークやリモートアクセスを始めたいが、その前に最低限なにを整えるべき?」。その出発点として役立つのが、IPAの「SECURITY ACTION」です。これは、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、取引先からの要請や補助金の要件で名前を聞くこともあります。
この記事では、SECURITY ACTIONを入口に、リモートアクセスを始める前に整えておきたい基本を、専門用語ぬきで整理します。
この記事でわかること
- SECURITY ACTIONとは何か
- 宣言の前に点検したい基本(アカウント・バックアップ・ネットワーク)
- リモートアクセスを足す前の確認
SECURITY ACTIONとは
SECURITY ACTIONは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する、中小企業向けの自己宣言制度です。第三者による認定・認証ではなく、自社で取り組みを宣言するものです。次の2段階があります。
- 一つ星:「情報セキュリティ6か条」に取り組むことを宣言する(取り組む前の段階でも宣言できます)
- 二つ星:付録の「5分でできる!自己診断」で自社を診断し、情報セキュリティ基本方針を策定して外部に公開する
ロゴマークの使用に費用はかかりません。なお、2026年からは新しい「SECURITY ACTION管理システム」へ移行し、申込にGビズIDを利用する運用になっています(最新の申込方法はIPAの公式情報をご確認ください)。取引先から「セキュリティ対策をしているか」を問われる場面や、補助金の要件として名前が挙がることもあり、中小企業の対策の入口として位置づけられています。
宣言の土台になる「情報セキュリティ6か条」
一つ星の土台になるのが、IPAの「情報セキュリティ6か条」です。
- OS・ソフトを最新に更新する
- ウイルス対策ソフトを導入する
- 強固なパスワードにする(使い回さない)
- 共有設定を見直す
- バックアップを取る
- 脅威や攻撃の手口を知る(従業者への周知)
これらは、リモートアクセスを始める前の土台でもあります。IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第4.0版)」も、これらの基本を一つずつ整えることを勧めています。
リモートアクセスを足す前の確認
基本が整ったら、社外から社内へ安全につなぐ準備に進みます。リモートアクセス特有の確認点は次のとおりです。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| アカウント | 利用者ごとに発行・停止できるか(共有IDを避ける)→ 権限管理 |
| 接続経路 | 直接公開せず、安全な経路の内側から接続するか |
| 到達範囲 | 接続後に社内LAN全体を開放せず、必要な宛先だけに絞れるか |
| バックアップ | 複数箇所・世代で取り、復元を試したか → ランサムウェア対策 |
| ログ | 誰がいつ接続したか確認できるか → ログ管理 |
リモートアクセスの方式そのものは方式比較の記事、全体の点検はテレワークのセキュリティ10項目で整理しています。
取り組みチェック
- OS・ソフトの更新とウイルス対策ができている
- 強固なパスワード・使い回しの回避ができている
- 共有設定など設定の見直しをした
- バックアップを取り、復元を試したことがある
- 従業者へ脅威・手口を周知している
- リモートは利用者ごと・必要な宛先だけに絞れる
- 接続ログを確認できる
一つ星・二つ星で、リモートアクセス周りに何を確認するか
SECURITY ACTIONはリモートアクセス専用の制度ではありませんが、各段階の取り組みは、社外接続を始める前の土台と重なります。リモートアクセスの観点で読み替えると、次のように整理できます。
| 段階 | やること | リモートアクセスの観点で確認すること |
|---|---|---|
| 一つ星 | 「情報セキュリティ6か条」に取り組む宣言 | 6か条(更新・ウイルス対策・強いパスワード・共有設定の見直し・バックアップ・周知)を、社外接続する端末やリモートアクセス運用にも当てはめて確認しているか |
| 二つ星 | 「5分でできる!自己診断」+情報セキュリティ基本方針を策定・公開 | アクセス制御・退職者/委託先の停止・ログ確認・委託先管理を、基本方針に明文化できているか |
一つ星は「土台(端末と人)」、二つ星は「ルールとして残す(方針・運用)」の段階だと考えると、リモートアクセスへ進む準備として読みやすくなります。なお、これは制度の趣旨を踏まえた一般的な読み替えで、星の取得要件そのものではありません。最新の要件はIPAの公式情報をご確認ください。
まとめ:押さえるべき3点
- SECURITY ACTIONは、中小企業の対策を自己宣言する入口(認定・認証ではない/一つ星・二つ星)
- 一つ星の土台は「情報セキュリティ6か条(更新・ウイルス対策・パスワード・設定見直し・バックアップ・手口を知る)」
- その上で、リモートは利用者ごとの管理・到達範囲の制限・ログを整える
最新の要件はIPAの公式情報を確認のうえ、リモートアクセスの進め方は比較ページや料金ページとFAQもご利用ください。