外出や出張で、カフェ・ホテル・駅・空港などの公衆Wi-Fiから社内システムへつなぐ場面は珍しくありません。手軽な一方、誰でも使えるネットワークは、通信の盗み見や偽アクセスポイントのリスクを抱えています。

この記事では、社外のネットワーク環境から業務を行うときに、端末・接続経路・社内側のそれぞれで確認すべき点を、専門用語ぬきで整理します。

私物端末そのものの可否はBYODの記事で扱います。ここでは「接続する場所・回線」に注目します。

この記事でわかること

  • 公衆Wi-Fiが危ないとされる理由
  • 安全に使うための基本(端末・経路・社内側)
  • 出張・外出時のチェック

公衆Wi-Fiが危ないとされる理由

  • 通信の盗み見:暗号化されていない、または誰でも入れるWi-Fiでは、通信内容をのぞかれるおそれがあります
  • 偽アクセスポイント:店名に似せた偽のWi-Fi(なりすまし)に接続させ、情報を盗む手口があります
  • 同じ回線上の他人:同じWi-Fiにつながった他の端末から狙われることがあります

総務省や IPA も、テレワークでは社外から社内へ安全な経路でつなぐことや、公衆無線LAN利用時の注意を呼びかけています。

接続する場所の目安は、次のように考えると判断しやすくなります。

接続場所考え方
スマホのテザリング比較的安心。迷ったらこれが無難
パスワードのある公衆Wi-Fi(提供元が明確)暗号化経路(VPN等)の内側からなら利用可
誰でも入れる・提供元不明のWi-Fi避ける(偽アクセスポイントの可能性)

安全に使うための基本

端末側

  • OS・ソフトを最新に保ち、マルウェア対策を有効にする
  • 画面ロック・のぞき見防止(公共の場での盗み見対策)
  • 業務データを端末に残さない運用

接続経路側

  • 公衆Wi-Fiから社内へつなぐときは、暗号化された経路(VPN・リモートアクセス)の内側から接続する
  • 「自動接続」をオフにし、提供元が不明なWi-Fiにつながない
  • どうしても不安なときは、スマホのテザリングを使う

社内側

  • 社外から直接見える形で社内システムを公開しない
  • 接続後も社内LAN全体を開放せず、利用者ごとに必要な宛先だけ許可する(最小権限
  • 接続ログで、普段と違う場所からの接続に気づけるようにする(ログ管理の記事

公衆Wi-Fiのリスクは「経路の暗号化」で大きく下げられますが、万一認証情報が漏れた場合に備え、接続後に行ける範囲を絞っておくことも重要です。考え方はフィッシングの記事とも共通です。

出張・外出時のチェック

公衆Wi-Fi・出張時チェック出発前に確認
  • 社内へは暗号化された経路(VPN等)の内側から接続する
  • 提供元が不明なWi-Fiにつながない/自動接続をオフ
  • 不安なときはテザリングを使える
  • 端末の更新・マルウェア対策・画面ロックができている
  • 業務データを端末に残さない運用になっている
  • 接続後に社内LAN全体へ到達できない(必要な宛先だけ)
  • 紛失・盗難・不審な接続時の連絡先を決めている

場所別の注意点

同じ「社外」でも、場所によって気をつける点は少し変わります。

場所注意点
ホテルの客室・館内Wi-Fi提供元は明確でも、宿泊客で共用する回線。暗号化された経路(VPN等)の内側から使う
カフェ・駅・空港のフリーWi-Fi偽アクセスポイントに注意。迷ったらスマホのテザリングが無難
コワーキング・取引先のネットワーク同じ回線に他社の端末がいる前提。社内へは安全な経路で、必要な宛先だけ
海外回線事情や通信規制が国により異なる。出発前に接続方法と連絡先を確認しておく

端末を紛失・盗難したときの初動

社外で使う端末は、紛失・盗難の可能性もあります。あわてないために、動きを決めておきます。

  1. すぐ社内の連絡先へ報告する(後回しにしない)
  2. 該当アカウントの接続を止める/パスワードを変更する
  3. 端末のリモートロック、必要に応じて**リモートワイプ(遠隔消去)**を行う
  4. ログで、紛失後に不審な接続がないかを確認する(ログ管理の記事

なお、リモートロックやリモートワイプ(遠隔消去)は、MDMやOS・端末管理の機能で実施する対策で、リモートアクセス製品が端末を消去するわけではありません。リモートアクセス側でできるのは、主に接続権限の停止とログ確認です。端末に業務データを残さない運用にしておくと、万一のときの被害を小さくできます。

まとめ:押さえるべき3点

  1. 公衆Wi-Fiは便利だが、盗み見・偽AP・同一回線のリスクがある
  2. 社内へは暗号化された経路の内側から。提供元不明のWi-Fiは避け、テザリングも選択肢
  3. 万一に備え、接続後の到達範囲を絞り、ログで気づけるようにする

外出先からの利用も、テレワークのセキュリティ10項目の一部です。自社での進め方は、あわせて料金ページFAQで確認してください。

参考・出典